20090115

賢竜杯が終わって松山に帰る日の午後、秋葉原でくっきーさんを見送った後で、電車に乗り一人で神保町へ行った。SFやミステリ関係の古書店探しが目当てだったが、道の往来や店内で見かける人々の奇抜さのほうが俄然面白くなってきて、すっかり心奪われてしまった。秋葉原で見かける人々とはまた少し違った方向に突き抜けている。ある古書店の店員は白いキノコの被り物としか思えない髪型だった。若そうにも見えるし、意外なほど歳を食っているようにも見える。秋葉原がデジタルの彼岸であるなら、ここは忘れ去られたアナログの彼岸に違いない。だからそこに巣食う人々も過剰さという点で同種とはいえ、どことなく雰囲気が異なる。
たぶん希少な本は色々あったのだろうけれど、よくよく考えれば自分にはそこまで生粋のSF者を目指す気概も自信もなかった。希少な本を持っていたり知っていたりするのがSF者の本質だとも思わない。ただ、SFに関してだけはリアルタイムで発表されるものに対してしかあまり興味が湧かない、というのはきっと不真面目な態度だろうから、ここよりもっと一般的な書店で手に入る範囲で十分だと思った。
あと読子さんの写真入り「最重要お得意様」のポスターはやっぱり見当たらなかった。